ショウコの微笑 著者 : チェ・ウニョン
ニックネーム : かっちゃん 掲示日 : 2021-11-26


タイトル作「ショウコの微笑」を始め、本作は他者との関わり合いの中で無傷でいられないながらに懸命に生きる人たちの物語でした。そして、読み進めていくほどに、この小説の登場人物が受ける痛みをただの個人の経験というだけに集約できないことに気がつきます。その背景には、家父長制、学歴社会、家族主義的な介護など、強固に積み上げられた構造的な社会問題が必ず存在していることがわかります。こんな社会の中で「普通に」生きるってなんなんだろうか。
 韓国のことわざで「卵を岩を打つ」と言う言葉があることを知りました。本来は無謀なことの例えですが、最近では「打つことはできなくても、汚すことはできる」というもう一つの解釈が生まれたそうです。この小説を読み終えたとき、でも私たち卵くらいは持ってる!と登場人物たち、そして私の少ない友人たちの顔、顔、顔を思い出しました。

表紙 タイトル
トロナお別れ事務所 ソン・ヒョンジュ
「お別れ事務所」に就職した主人公カウルの奮闘記です。淡々とした読み口です。さらっとした小説が好きな方は良いかもしれません。私としては登場人物の心の動きがもう少しわかりやすければもっと感動できたかと思い...
ユ・ウォン ペク・オニュ
第13回チャンビ青少年文学賞の受賞作です。火災事故で姉は亡くなり妹は助けられ生き残ります。高校生になった主人公の物語です。登場人物の心に秘めた感情がひしひしと伝わってきます。感謝と罪悪感そして嫌悪感。...
ヒョンナムオッパヘ チョ・ナムジュ、他6名
この本は、フェミニズムをテーマにした7名の作家による短編集である。作家ノートや翻訳者解説が物語や韓国の現代社会の背景を知る手がかりになる。 表題作がとりわけ印象に残った。ヒョンナムさんに精神的に支配...
+1cmLIFE たった1cmの差があなたの未来をがらりと変える キム・ウンジュ
「+1cm」シリーズのLIFE編です。以前に「+1cm」シリーズの別の本を読んでいたので、2冊目になります。 こちらは、韓国文化院に立ち寄った際に、図書館で偶然目に留まり読ませていただきました。...
ニューヨーク製菓店 キム・ヨンス
「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション」の15作目です。このシリーズのいいところは日韓併記であることです。韓国語勉強中の方におすすめです。また、冊子自体がとても薄く短く軽いため持ち運びしや...


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