芝山 李鐘能 作陶展 ~ 土痕 旅たち ~ 10.11.08
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 韓国の代表的陶芸家 芝山李鐘能の作品展が韓国文化院ギャラリーMIで開かれる運びとなりました。
 芝山 李鐘能先生は、土の質感と情緒を執拗に追求する作家として、自身の独特な陶磁世界である“土痕”作品を初め、辰砂と共に2007年ロンドン大英博物館において初公開した優雅でありながらも世界を懐にするような、白色の月の壺の系譜を繋ぐ月の壷の連作の数々を初公開しました。日本初の展示会である今回、作陶展は芝山と日本陶磁の個人的関わりを越え、韓国と日本の陶磁器が交じり合う歴史的な関係に新たな視点をもたらす意義深い展示会になると思います。
芝山 先生は、1986年 KBS、NHK“故郷を如何に忘れん”において、文禄慶長の役の時に日本に渡った鹿児島の薩摩焼きの大家、沈寿官先生の初代、沈当吉陶工の代わりに轆轤を回しながら、韓国と日本の陶磁に交差する歴史に関心を持つようになり、2002年には韓国の代表作家に選定、され釜山アジア大会で陶芸招待展を開き、また2002年KBSとNHKが合作したワールドカップ広報ドキュメンタリー(東方への旅立ち)において韓国陶磁器の優秀性を世界に知らしめると同時に、韓日文化交流に貢献しました。
 2004年KBSスペシャルドキュメンタリー6部作“陶磁器”より、誰もが気掛かりだったエジプト陶磁器の真実を(何故最初に陶磁器を焼いたエジプトが磁器を作れなかったのか!)見た多くの人達、特に陶磁器専門家達を本当に驚かせました。芝山 先生の作品、土痕は土の痕跡、歳月の感触、切実な祈りを表し、強烈ながら同時に、非対象で素朴な美しさを含んでいます。
芝山 先生は、韓国陶磁に内在する韓国人だけの独特な美意識が“非対称の美学”であると主張しています。
これは西洋の哲学者“デリダ”が説いている“差延”という言葉で表すことができ、完璧さと不安定さの違いが、絶え間なく新しい議論を引き起こすエネルギーを生み出す原点となっています。左右の違いとしてではなく延び続ける差延の非対称性はおのずから完璧なものではないので、何にでも変化する可能性のある美学なのです。
 だからもっと穏やかで、自由で、親しみ深い美しさ、その美しさはむしろ完全を求める、絶え間なく動いている生きた能動的な美なのです。これは、芝山 先生が20年間にわたり追い求めた、韓国陶磁だけの独特な美学であり、今回の展示を通して伝える韓国固有の陶磁美学はまさに、そのような自然に起因する非対象性にあることを彼の作品“土痕”と月の壺を通して語ろうとしています。芝山 先生はどんな系列、ジャンルにも束縛を受けず、自身の胸の内に揺れる感情はその何たるかを自由奔放に表現する陶芸家という評価を受けています。
 芝山 先生は、線は単純な英語のラインではないと述べています。カラー、質感、感触、光、そして心にも線があると言い、そこから芝山 先生の話が始まります。
 土痕は韓国の陶磁史から探すのが難しい形だと、美術師 黄ギュソン(前リウム美術館研究員)研究員は話します。
 重要無形文化財保有者である加藤孝造先生は、彼の作品は力強さと同時に素朴で素直さを見せてくれる魅力があると語っています。26年の間、陶芸の道に心を留め70余点を一所に集める“土痕旅立ち展”が韓日両国の陶磁器愛好家の皆様と韓国陶磁器の美しさを見て頂ける機会、ひいては土を通して韓日両国が更に近い隣になれるきっかけの場になることを期待します。


ㅇ日時:2010. 11. 16(火) ~ 21(日) 10:00~17:00(最終日は15:00まで、日曜日開館)
    ※開幕式:2010.11.16(火) 18:00~
ㅇ場所 : 韓国文化院ギャラリーMI(1F)

  東京都新宿区四谷4-4-10   Tel:03-3357-5970
( 地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目駅」一番出口から徒歩3分)
ㅇ後援 : 駐日韓国大使館 韓国文化院、KBS 東京支局


【作家略歴】
芝山 李鐘能(ジサン イゾンヌン)
1958     慶州で生まれる
1983-1985 智異山一帯で粉青沙器の破片胎土の収集研究
1989-1992 日本、済州島、台湾,泰国の南方文化の流れを追跡研究
1992-1993 中国、モンゴル、シルクロードの銘窯銘茶産地を訪ねて
北方文化圏の流れ追跡研究
2002.2 中国南宋の名窯、建窯、吉州窯踏査(胎土、破片、窯構造研究)
現在 京幾道広州市退村面観音1里734-3(ジョルゴル)
芝山陶天房にて作品活動中


主な展示
1986  KBS,NHK,8.15特集劇“故郷忘れがたく候”に特別出演
1995.11 第1回個人展(ロッテホテル本店)
1996.5 第4回国際茶文化ソウル大会陶芸展示(世宗文化会館)
1996.8 SBS 8.15特集劇 6部作“王都の秘密”(高句麗土器窯製作実演)
1997.7 韓国土地公社“土地博物館先史時代”(新石器、青銅器)遺物製作
1997.10 ロシアSt. Pertersbung 国立民族博物館作品所蔵
1998.10 中国杭州国立博物館茶道具作品所蔵
2001.1 KBS,NHK合同2002ワールドカップ広報ドキュメンタリー “東方より出発”製作出演
2001.8 世界陶磁器EXPO 記録ドキュ製作(粉青沙器部分)
2001.12 第2回個人展土痕よそゆき(ソウルギャラリー/プレスセンター)
2002.9 第14回釜山アジアンゲーム招請陶芸展(選手村文化館)
2004.10 SIBAC(ソウル国際経済諮問団)総会記念、世界最高経営者の茶器製作
2004.5~2004.10 KBS世界文明陶磁ドキュメンタリー(6部作韓国、中国、ジプト陶磁器製作、実演
2004.11 陶作二十周年展、ソウルギャラリー(プレスセンター)
2007.9 イギリス大英博物館の白磁大壷特別展
2008.6 第4回個展 土の氾濫展(仁寺アートセンター)
2008.11 第5回個展 茶郷にお出かけ(大白プラザギャラリー)
2010.11 第6回個展 駐日韓国文化院 Gallery MI(芝山 李鐘能 作陶展 - 土痕 旅たち)

主な所蔵先
ロシアSt. Pertersbung 国立民族博物館、ロシア / 中国杭州国立博物館、中国
ソウル新聞社、ソウル / 彫刻家 Giuliano Vangi,イタリア
Gilead Sciencecs,Inc.,米国 / Nicola Loi,イタリア / 土地博物館、韓国土地公社

番号 タイトル 掲示日 照会
151 繊維芸術作品展 「現繍会展」 11-01-17 12536
150 「Beyond craft – 工芸を越えて」展 11-01-13 13554
149 第31回日韓児童作品交流展 10-12-04 13727
148 「東京・大田 日韓国際美術祭 - 動く城 -」展  10-11-30 18731
147 現代絵画展 「Tomorrow Modern Tokyo Art Show」 10-11-25 10652
146 芝山 李鐘能 作陶展 ~ 土痕 旅たち ~ self 10-11-08 15571
145 三國G交流展 「IMAGE IN DIALOG 」 対話するイメージ 10-10-26 13350
144 女流写真作家二人展 - 李恩周・崔シネ - 10-10-13 15942
143 韓日書芸術招待二人展 - 全明玉・薄田東仙 - 10-10-12 17906
142 「韓国ドラマ [haru:ある一日の物語] 報道写真展」 10-10-08 27659
141 「第15回 韓日創作交流展」 10-09-28 12081
140 美術作品交流企画展「美しく魅力ある都市ソウル」展 10-09-24 12025
139 「名匠恒山林恒澤-朝鮮辰砂白磁展」 10-08-20 18818
138 2010 和解と和合の日韓展 10-08-16 13493
137 「朴成喜(パクソンヒ)タッチョンイ浮生展」 10-08-10 20895
136 第35回国美芸術展~日韓芸術家作品選抜交流展~ 10-08-04 15770
135 第36回 日・韓美術交流会展 10-07-28 12963
134 「ソウル-東京 日韓友情ウォーク」写真展 10-07-21 17610
133 韓国をこよなく愛した画家 加藤松林人展 10-07-14 17858
132 21世紀の朝鮮通信使①「朝鮮通信使饗応七五三図絵巻特別展 10-07-09 18602


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