『亡き王女のためのパヴァーヌ』 著者 : パク・ミンギュ著
ニックネーム : 仙台あんこ 掲示日 : 2021-11-06


「慟哭」。「繊細」。「嗚咽」。ありきたりです。

初章「ラス・メニーナス」
「僕」と「彼女」のやさしい緊張感。
胸の鼓動も、息遣いも、血管も流れる音も聞こえてしまうのではと思うほどの緊張感。
でも、二人の間にはやさしさが漂っている。
雪が降っている。絶対寒いはずなのに、あったかい。

読み進めるうちに、主人公が愛おしすぎて、何も壊れないで欲しいと祈るような気持ちになる。
初章の心を奪われ、終章に近づくにつれ、この物語が終わってしまうことへの恐れを感じ、初章へ。

初章「ラス・メニーナス」再読み。再々読み。
「僕」と「彼女」の気持ちの美しさに目が霞む。穏やかな悲しみの中にゆっくりと沈んでいく。

登場人物のこまやかな描かれ方。目に浮かぶ背景描写。筆致の繊細さ。
もちろん、書名=曲名の素晴らしさは言わずもがな。
韓国文学の1冊目。パク・ミンギュ作品の1冊目。何冊目だとしても、韓国文学の素晴らしさに浸ることができる。
読後、なかなか気持ちが立て直せず、「僕」の思いの中に深く潜ってしまった。

※吉原育子さんの訳が素晴らしいです。
訳者あとがきを読んで、「ありがとうございました。しかと思いは伝わりました」。生意気ですが伝えたいです。

表紙 タイトル
『亡き王女のためのパヴァーヌ』 パク・ミンギュ著 self
「慟哭」。「繊細」。「嗚咽」。ありきたりです。 初章「ラス・メニーナス」 「僕」と「彼女」のやさしい緊張感。 胸の鼓動も、息遣いも、血管も流れる音も聞こえてしまうのではと思うほどの緊張感。 ...
『野良猫姫』 ファン・インスク著
「心温まる小説」「やさしくなれる小説」 月並みなですが、こういう本にたまには出会いたいのです 主人公と野良猫たちの日常しか書かれていません。 が、ひとりひとり、一匹一匹にそれなりのドラマがあるの...
『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』 イ・ミンギョン
この本は、「決定権は自分にある」と言うためのマニュアル本だ。 私(たち)は何で声をあげないのだろう? 「あげたくても、あげられない」と、環境=周りのせいにしている自分。 必要以上に「共感」、「イ...
村上春樹のせいで イム・キョンソン
私は村上春樹さんの本を読んだことがありません。世界中にハルキストがいることはなんとなく知っています。 韓国映画「バーニング」の原作は村上春樹さんの「納屋を焼く」という短編だそうですが、映画に感動した...
誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ イ・ギホ
イ・ギホさんの短編「原州通信」を読んだらおもしろかったので、今度は長編を読みたかったのですが、こちらも7つの短編集でした。本のタイトルからして優しい人々の話だと思ったらちょっと違いましたね。恥かしかっ...


코시스센터
2024KOREA BEAUTY FESTIVAL
Korea Net Japanese
Hello K! - Youtube
korea net banner
STAY HOME AND ENJOY K-ARTS