ユ・ウォン 著者 : ペク・オニュ
ニックネーム : Maria 掲示日 : 2022-05-08


自分から解放されていく物語でした。主人公は高校2年生で、タイトル名の「ユ・ウォン」。幼い時に自宅マンションの火災事故にあい、11階から姉に投げ落とされて生き残ります。自分を助けた姉は亡くなり、おじさんは足に後遺症が残ります。感謝すべきことに対する迷いと苛立ち。自分の中に姉を重ねる両親や姉の親友に対する複雑な思い。ある日、屋上前で出会うスヒョンによって、その日常は徐々に変わっていきます。
高校生は他者との距離感に悩むものです。「生き残った子」というラベルをつけられ、罪悪感を感じ、それを振り払うように様々なコンクールに出したり塾に没頭する姿は、もしかすると何かに悩む10代にも共感できる部分があるのではないかと思いました。甘んじてきた人間関係を変えようとするユ・ウォン。友人のスヒョンと共に自然体で成長してほしいと思わせるキャラクターでした。

表紙 タイトル
唾がたまる キム・エラン
「唾がたまる」って変わった題名が目に止まり読んでみました。8話の短編集ですが考試院や屋根部屋やタルトンネなど日本ではあまり馴染みのない住居が印象的な物語たち。 それぞれの主人公たちの記憶がたどり着い...
エディ、あるいはアシュリー キム・ソンジュン
現実的なテーマをまるで童話のように仕上げていてなんとも不思議な気持ちになります。 移民、ジェンダー、暴力などテーマは多岐にわたる8編の短編集です。その中のひとつ「海馬と扁桃体」を読むとソウルの教保文...
由熙 李良枝
第100回芥川賞を受賞した在日韓国人2世の作家李良枝さんの小説です。  日本に生まれ育ち日本人として生活してきた主人公ユヒ。母国である韓国に留学しますが、理想とする母国像を強く持っていて、現実の韓国...
タワー ぺ・ミョンフン
釜山出身の作家によるSF小説です。一度絶版になったそうですが、2020年に復刊。舞台は674階建ての「ビーンスターク」。人々はこの高層マンションの中で一生を終えます。いわば社会の縮図であり国家です。低...
クソ女の美学 ソン・ミヨン
 私は日本の女だ。この本は、怒りを棄ててしまうことなく、表現しなくてはいけないということを教えてくれる。私たち女は、団結し、声を上げ、くじけずに、そしてたまに休み、抵抗し、この人生を楽しむ。韓国語を直...


코시스센터
Korea Net Japanese
Hello K! - Youtube
korea net banner
STAY HOME AND ENJOY K-ARTS