行事名 講演会シリーズ2014「韓日交流史」第8回武井一さん
日時 14.08.05∼ 14.08.05
韓国文化院では、毎年ご好評いただいている講演会シリーズを今年も1月からお届けしております。今年はアンケートでもご要望の多かった歴史の中でも「韓日交流史」をメインテーマに、古代から近現代まで様々な視点や時代を取り上げて、全11回にわたって韓国文化院ハンマダンホールを舞台にそれぞれの分野のエキスパートに語っていただく予定です。 この講演会シリーズの第8回目が、8月5日(火)に開催されました。今回の講師の武井一さんは1963年、東京出身で、高等学校で社会科と韓国語を指導する一方、韓国史を中心に研究活動を着実にしてきた学者でもあり、『ソウルに刻まれた日本』(桐書房)、『ソウルの王宮めぐり』(桐書房)、『慶州で2000年を歩く』(桐書房)、『皇室特派留学生』(白帝社)、『朝鮮王宮完全ガイド』(角川ソフィア)ほか、韓国に関する多数の著書を出版しました。 今回の講演会では、「大韓帝国皇帝が派遣した留学生の東京体験~19世紀末から20世紀初期の頃の旅人」という題名で、日本ではあまり知られていない大韓帝国(1897年 10月 12日~1910年8月29日までの朝鮮の国名)の存在とその経緯や時代背景とともに、大韓帝国皇帝が派遣した留学生「皇室特派留学生」の日本経験と彼らが日本で体験することになる亡国の過程そして、その事実をどのように見て、感じたかを留学生の日記を中心に語られました。 大韓帝国皇帝による皇室特派留学生として選ばれた50人は1904年11月に日本に来て東京府立第1中学校(現在の東京都立日比谷高等学校)で学ぶことになりました。 その経緯は、西洋の帝国主義が東アジアに接近していた当時、日本側の立場で見れば韓国を味方に引きこんでいこうとする意図があり、一方、大韓帝国側も国際情勢で生き残るための努力の一環で植民地化を防ぎ、国家の近代化を目標に派遣したものということでした。 この留学生の中に独立活動家として知られた趙鏞殷(1887~1958、号:素昴)がおり、彼が「皇室特派留学生」として1904年10月に仁川(インチョン)港を出発した時から留学生活を終わらせた1912年5月までの約8年間を漢文で書いた日記が現在、唯一残っており、その記録を根拠に講演が進行されました。 日記を見ると、留学生が日本で感じた生活習慣の差、近代日本に対する視点、日本の日常生活経験に対する所感、そして、亡国の悲しみと苦悩、望郷などが絡み合っていたことが分かります。 趙鏞殷は望む大学に進学できなかったため、日本滞在が長くなり、大韓興学会などの留学生団体で精力的に活動・啓蒙運動に参加しながら、東京府立第1中学校、正則英語学校を経て明治大学で勉強し、その間、乙巳条約締結、大韓帝国公使館の撤退、ハーグ密使事件、丁未条約、韓日併合などを東京で経験することになります。 趙鏞殷は1910年以後、1911年にはキリスト教に入信して在日韓国YMCAを拠点に日本にいる韓半島出身者などとの交流をし、1912年、帰国後には上海に亡命して独立運動活動に従事することになり、大韓民国臨時政府外交部長などを歴任しました。 武井一さんは、国を救い、いっそう発展させようとする志を持つ韓国人留学生のうち1910年を日本で過ごした留学生でこれ以外の記録を探すことはできず、大韓帝国を代表して日本に派遣された留学生の生活記録とその本心を見ることができる彼の日記は、この微妙な時期の韓日関係を観察するのに歴史的な資料になることができるということに大きな意義があると強調しました。 講演後の質疑応答では、皇室特派留学生より先に朝鮮王朝が送った留学生との比較、東京府立第1中学校で日本人学生たちとの交流があったのかなどの質問が相次いで出て、馴染みが薄い「大韓帝国」の存在と、その皇室が送った留学生に対して高い関心を見せました。 また、アンケート結果からも、この時期の韓日関係に対して初めて分かった、日記でその時期の社会、文化差などを知ることができた、大韓帝国の事実を知り、よりいっそう親近感を感じた、今まで習わなかった歴史の他の面が分かったなどの意見が多く、関心の高さが表われました。 次回の講演会は、9月5日(金)、「韓国の切手でひも解く韓国近現代史」と題して、郵便学者、ノンフィクション作家でいらっしゃる内藤陽介をお迎えして開催予定です。 8月22日まで応募を受け付けていますので、どうぞご応募ください!
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