82年生まれ、キム・ジヨン 著者 : チョ・ナムジュ
ニックネーム : シャララ 掲示日 : 2021-11-16


フェミニズムについて考えさせられ、男女同権、平等の考え方そのものについてかつてに比べて前進しているとおもっている部分が実は思いこみで、元からもっている男性側からの自分の価値観を押し付けている部分もあるかもしれないと感じる1冊だった。また、表現や描写が淡々と描かれている分だけ生々しく、自分の身近に起こっている現象ではないかと痛々しく思えた。

韓国、日本そして世界中どの国においても、まだまだ知られていない社会的役割の悲しい現実があるのだろう。それは単純に「男性優位社会だから」で割り切れるものではなく、もっと根深く人がそもそも持っている感情の中に、当人は意識はしなくても存在している差別意識にあるのであろう。

男女平等を十把ひとからげして推進するのはおかしいという人がいる。確かにこれはその人の適性があり、向き不向きのあるため一理あると思っている。

女性が「男だから」の理由で男頼みにするものがいる。一方で男性のなかには「女のくせに」「女性なんだから」と男性のあるべき女性像を押しつけている人もいる。

ここで問題なのは「無意識」に語っていることだ。「らしさ」の基準って何だろうか?

それはきっと育ってきた環境、コミュニティに依存する部分が大きい。男女に対する価値観は常識的であり、あまりこの価値観自体に異議を持ったり、本当だろうかと疑念を抱いたりはしないだろう。それ程に当たり前の常識だからだ。

しかし実際は、個人によってかなり違いがあるように感じる。社会の常識フィルターに隠れて見えにくくなっているのかもしれない。

仕事、家庭、社会のなかでこれからは「男であること」、「女であること」を理由とした大義名分を通すのではなく、「その人本人であること」が理由になるような社会になれば究極的には誰もにとっての社会的平等になっていくのだと思う。

表紙 タイトル
世界を超えて私はあなたに会いに行く イ・コンニム
時空を超えて届く手紙から、過去と現在、ふたりのウニュがつながっていく物語。 手紙が届く年齢やスパンが異なるため、その時々の立場、言動、関係性が面白い。 10歳から30歳へと、「妹」、「お姉さん」、...
ショウコの微笑 チェ・ウニョン
タイトル作「ショウコの微笑」を始め、本作は他者との関わり合いの中で無傷でいられないながらに懸命に生きる人たちの物語でした。そして、読み進めていくほどに、この小説の登場人物が受ける痛みをただの個人の経験...
わたしに無害なひと チェ・ウニョン
心がきゅーっと痛くなるようなお話たちでした…いまではすっかり忘れてしまっていた、ずっと前の切なかった記憶が蘇る物語。感受性が強かったあの頃の痛みはすでに遠い過去のことで、その記憶さえすっかり忘れた大人...
長寿湯の仙女さま (天女銭湯) ペク ヒナ
表紙の仙女おばあちゃんの顔に衝撃を受けて、韓国版を取り寄せました。自称「人形いたずら作家」ペクヒナさんのお人形さんたちは、リアルで可愛くて、思わず吹き出してしまう一瞬の表現が魅力的。くるくるパーマ頭の...
女ふたり、暮らしています。 キム・ハナ ファン・ソヌ
こんな生き方があったのか!と自分の中に新しい選択肢の種が蒔かれ、読み進めながら二人の共同生活の楽しさや大変さ、イライラやワクワクを一緒に経験することができます。やっぱり人は一人では生きていけない、そし...


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