ヒョンナムオッパヘ 著者 : チョ・ナムジュ、他6名
ニックネーム : Maria 掲示日 : 2022-04-21


この本は、フェミニズムをテーマにした7名の作家による短編集である。作家ノートや翻訳者解説が物語や韓国の現代社会の背景を知る手がかりになる。
表題作がとりわけ印象に残った。ヒョンナムさんに精神的に支配されてきた女性が手紙で彼へ決別を告げるスタイルをとっている。大人になり、広い世界を知って、自分がどれだけその人に依存していたかを知る。
他の作品も現代社会で女性たちが感じるモヤモヤをSF調に仕立てることで伝えている。
いちばん重く感じたのは更年期の話で、韓国でも同じ表記をすることを知った。これから、こういう鬱々とした気持ちがくるのかな…と思いながら、主人公の誰にもわかってもらえない気持ちがただただ悲しくなった。
「ハルピュイアと祭りの夜」では、ただ女性であるという理由だけで殺されてしまった2016年のカンナムの事件を思い出した。女性たちがさらされている恐怖が、この小説からは男性陣にもわかるのではないか。
ひとつひとつの話は短いが、考えさせられる物語が多く読むのに時間がかかった。

表紙 タイトル
仕事の喜びと哀しみ チャン・リュジン
図書館の新刊で借りました。タイトルに惹かれて拝読しました。短編が数編入っていますが、テンポが心地よく(翻訳者さんのおかげ)、また描かれている場面がリアルに「今」なので、読みやすいです。 やはり原文で...
他人の家 ソン・ウォンピョン
こちらの掲示板で知って読んでみました。ソン作家の本は、アーモンド、三十の反撃、プリズム、と読んできたけれど、短編集は初めて読みました。 どの話にもひっそりと現代社会の闇が忍ばせてあり、フィクションと...
Lの運動靴 キム・スム
この物語のどこまでが本当で、どこまでがフィクションなのか…? 現実と夢との境目が曖昧になる感覚。 夜遅くまで働くと、意識が朦朧としてきて、 自分が起きている瞬間と眠っていた瞬間がわからなくなりま...
破果 ク・ビョンモ
ノワール小説なんて、読んだことがないに等しかったが、主人公の境遇に惹かれて手に取ってみた。36歳の医師に恋心を抱いたり、無心と名づけた犬に愛情を示したりと、境遇から人に執着してこなかった人生に変化が訪...
明るい夜 チェ・ウニョン
壮大な歴史の重なりとファミリー・ヒストリー。 またすぐ会える、でも、会えないかもしれない、という別れを何度も繰り返す。 物語の中で、別れのシーンは自分のことのように悲しくなった。自分自身の留学先や...


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