こちらの掲示板で知って読んでみました。ソン作家の本は、アーモンド、三十の反撃、プリズム、と読んできたけれど、短編集は初めて読みました。
どの話にもひっそりと現代社会の闇が忍ばせてあり、フィクションと分かっていながらも暗雲たる気持ちになる話もありました。
アーモンドのスピンオフ話があり、「アーモンド」の世界に一気に引き戻されました。そして、いちばん最後の「開いていない本屋」で、救われたような、救われないような曖昧な気持ちになりました。文体の雰囲気が他の作品とは異なり、つかめそうでつかめない、不思議なリズムの話でした。全話、テーマは違えども、社会にある隙間・闇に切り込んだ話ばかりだと感じました。