普通のノウル 著者 : イ・ヒヨン
ニックネーム : Maria 掲示日 : 2022-12-13


いわゆるYA(ヤングアダルト)小説だと聞いていましたが、大人でも楽しめる内容でした。日頃、「普通」と言われることに違和感を覚える人、「常識」だと言われることに疑問を持つ人にお勧めします。
主人公は17歳の高校生ノウル。韓国語で夕焼けという意味で、外来語ではなく国字だそうです。ノウルはシングルマザーのお母さんに育てられましたが、彼女もまだ33歳(若い!)。主人公のバイト先の幼馴染のお兄さんとの恋がはじまりそうな状況にモヤモヤします。年下の男の子と母の恋、そして、同級生からの恋心、大事なものを失ってしまったバイト先のオーナー。それぞれの人生が複雑に絡み合って、それぞれが「普通ってなんだろう?」と考えながら生活しています。
主人公、ノウル目線でずっと物語はすすみますが、それぞれの立場になって状況を分析してみると、やはり人生は複雑だと言わざるをえません。
普通や常識といった言葉とぶつかりながら、過ごしていくうちに、彼らは一歩、一歩、前に進んでいるような気がしました。

表紙 タイトル
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