行事名 講演会シリーズ2014「韓日交流史」第6回仲尾宏さん
日時 14.06.21∼ 14.06.21
韓国文化院では、毎年ご好評いただいている講演会シリーズを今年も1月からお届けしております。 今年は「韓日交流史」をメインテーマに、古代から近現代まで様々な視点や時代を取り上げて、全11回にわたって韓国文化院ハンマダンホールを舞台にそれぞれの分野のエキスパートに語っていただく予定です。 本講演会シリーズの第6回目が、6月21日(金)に開催されました。 今回と来月は、京都造形芸術大学客員教授でいらっしゃり、日本における朝鮮通信使研究の第一人者でいらっしゃる仲尾宏先生をお迎えして、朝鮮通信使について語っていただきます。 今回は「朝鮮通信使のはじまりと室町時代/朝鮮朝前期の日本国王使」というタイトルで朝鮮通信使が本格的に始まる江戸時代前の韓日交流史について語っていただきました。 その一部を今回もこの場を借りてご紹介しましょう。 室町時代(高麗末~朝鮮朝前期)14世紀末から約200年の間に日本から派遣した公的使節は60回を超え、韓半島から派遣した公的使節は20回を超えますが、これだけを見ても当時の両国の関係は良好だったと言えますが、室町時代当初の両国の外交案件は「倭寇」でした。 当時の倭寇は九州北部や瀬戸内海、対馬等を拠点に頻繁に韓半島に被害を及ぼしていました。韓半島からも使節を通じて、倭寇についての取り締まりなどを要求していましたが、足利幕府は全国を統一しきれずにいた状況下では、その威力が九州地方まで及ぶはずもなく統制しきれない状況が続いていました。 一部の九州の大名の中には、幕府を無視して勝手に朝鮮と交易をしようとしたり、韓半島の人民を人質にして解放を条件にその対価を要求したりするような横暴な行為も見られました。 一方、対馬島主は足利政権はもちろん、朝鮮側とも友好関係を築くために実質的な宗属関係を結び、つまり韓日両国と宗属関係を結びながらバランスを取り、両国の問題解決に重要な役割を果たしてきました。 そのような中、度重なる倭寇の被害にしびれを切らした朝鮮王朝は、太宗の時代に韓日歴史上唯一と言ってもいい日本への攻撃を対馬に行い、両国関係が悪化するかと思いきや、それを救ったのはまさに世宗であったと仲尾先生は語ります。また、実は様々な名称で日本に使節を派遣してきた朝鮮王朝でしたが、「通信使」という名称を使い出したのも、世宗の時代からでした。 世宗はまず、対馬への攻撃に侵略の意図はなく、倭寇対策の一環であったと日本側に説明し、1418年には朝鮮側が認めて契約を交わした船のみを貿易船と認める「授図書の制」を発布、1426年には対馬島主による渡航証明書の発行所持船のみに貿易を許可するようになり、1429年には対馬側の要求により韓半島南海岸の3つの港(三浦)を開講し、後に制限されるものの、倭人の永住まで認めるようになります。 このように、世宗は対馬との特殊な関係を大いに利用し、倭寇対策に乗り出しこの時代の対馬は韓日両国と宗属関係を結ぶことにより両国の信頼を得て両国関係の改善と安定に大きな影響を及ぼしたことがわかります。 以上のように、室町時代(高麗末~朝鮮朝前期)における韓日関係は、互いに公的使節を数十回以上も送り合う程友好な関係ではあったものの、その背景では、足利政権の威力が地方まで及ばなかったことから倭寇の問題や九州地方を中心とした一部大名の勝手な行動を防げきれないような行為がしばしば起こったが、世宗以降、対馬が両国との特殊な関係を活かしながら両国関係の安定に努めてきた様子がわかります。 しかし、これも長続きはせず、16世紀に入ると足利政権の弱体化と共に国の公印が漏出し、堺や博多の商人らが商売のために偽造国書を持った偽使(偽造使節)となって朝鮮を行き来するようになり、やがて日本は戦国時代へと突入していきますが、この続きは来月の講演会で「江戸時代/朝鮮王朝後期の通信使と雨森芳洲」というタイトルで引き続き仲尾先生に語っていただく予定です。 中でも、仲尾先生が強調された言葉で印象的だったのは「世界史と日本史(韓国史も)を別々に見ていてはいけない。世界史の中の1つの歴史として、少なくとも東アジアの中の1つの歴史として周辺の歴史と一緒に学ぶことがだいじだ」「『通信使』の『通信』とは、今使われている『通信手段』などの意味と同じと思ってはいけない。 『通信使』の『通』は『通わす、交わす』、『信』はその言葉通り『信じる、信頼』という意味である。通信使を最初に派遣した世宗がどのような思いで日本に派遣したのか、その精神を現在のような韓日関係になったしまった今の時点で考え直す必要がある」と力説された部分です。 この続きとなる来月の講演会は、7月11日(金)に開催予定す。 6月29日まで応募を受け付けていますので、どうぞお越しください!
➡関連内容はこちら

写真 内容
2019年テコンドー体験教室及び昇級審査 2019年テコンドー体験教室及び昇級審査 photo-icon movie-icon

駐日韓国文化院では韓国の国技であるテコンドーを無料で体験できる「テコンドー体験教室」を毎週土曜日に開催しています。老若男女問わず多くの方々に一年間ご参加いただき、心身を鍛...

「話してみよう韓国語」東京・学生/一般大会2019 「話してみよう韓国語」東京・学生/一般大会2019 photo-icon movie-icon

去る2019年12月7日(土)、韓国文化院のハンマダンホールにて「話してみよう韓国語」東京・学生/一般大会 及び全国学生韓国語スピーチコンテスト2019が開催されました。...

JAKEHS 20周年記念 全国学術大会 JAKEHS 20周年記念 全国学術大会 photo-icon

高等学校における韓国語の普及のために活動してきた高等学校韓国朝鮮語教育ネットワーク(JAKEHS)の創立20周年を記念し、日本国内の中学・高等学校の韓国語教育について語る...

年末特別企画 ミュージカル<1446> 年末特別企画 ミュージカル<1446> photo-icon movie-icon

韓国文化院が年末を迎え、特別に企画したミュージカル「1446」が11月14日(木)~15日(金)の二日間、韓国文化院ハンマダンホールで開催されました。 ミュージカル「1...

韓国文化の日 in 長崎 韓国文化の日 in 長崎 photo-icon movie-icon

日本各地での韓日文化交流の活性化のため日本の自治体と連携して韓国文化体験イベントを実施する駐日韓国文化院の出張型イベント「韓国文化の日」が11月2日(土)に長崎県立小浜高...

コリアン・シネマ・ウィーク 2019 コリアン・シネマ・ウィーク 2019 photo-icon movie-icon

駐日韓国文化院が主催する第32回 東京国際映画祭 提携企画 「コリアン・シネマ・ウィーク 2019」が 、10月29日から11月2日までシネマート新宿と駐日韓国文化院で開...

日本韓国語教育学会 創立10周年記念 国際学術大会 日本韓国語教育学会 創立10周年記念 国際学術大会 photo-icon

日本韓国語教育学会(JAKLE)の創立10周年を記念し、韓国語教育について論じる国際学術大会が11月8日と9日の二日にわたり韓国文化院で開催されました。 初日の8日に...

2019トラベリング・コリアン・アーツ「美術が息づく-その家」 2019トラベリング・コリアン・アーツ「美術が息づく-その家」 photo-icon movie-icon

朝鮮時代の白磁や民画から注目されている若手作家の作品まで韓国の家にまつわる作品を紹介する「美術が息づくその家」が、8月29日から9月25日まで駐日韓国文化院で、10月1日...

DRAMA ORIGINAL SOUNDS KOREA 2019 DRAMA ORIGINAL SOUNDS KOREA 2019 photo-icon movie-icon

駐日韓国文化院では、去る10月1日に新宿文化センターで韓国のドラマと音楽を紹介する「DRAMA ORIGINAL SOUNDS KOREA 2019」の公演を開催しました...

日韓交流おまつり2019 in Tokyo 日韓交流おまつり2019 in Tokyo photo-icon movie-icon

今年で第11回を迎える「日韓交流おまつり2019 in Tokyo」が9月28日〜29日に東京・日比谷公園で開催されました。 日韓交流おまつりは、韓国と日本の伝統芸能、...



코시스센터
Korea Net Japanese
Hello K! - Youtube
korea net banner
STAY HOME AND ENJOY K-ARTS